カナンとは《法人概要》

特定非営利活動法人　カナンとは？

代表理事　高橋　明

私たちは、世の中のストレスによって就労や日常生活に支障がある方及びそのご家族が、地域で安心した生活ができるよう支援することを目的としています。

そのため、地域の多様な福祉サービス事業や医療機関と連携して、当事者及びそのご家族が適切なサービスを選択し、利用する事ができるよう環境を整えます。

また人権尊重の観点から、必要な社会資源の開発改善に努め、地域福祉の向上を目指します。

特定非営利活動法人カナンの理念

1. カナンは人間の尊厳を第一とし、障がい者と家族そして支援者の人権を守り、どのような境遇にあっても希望を失うことがないよう支え続け、愛(ｱｶﾞﾍﾟｲ)を分かち合う活動を行います。
2. カナンは何人も幸せに生きる権利があることを覚え、社会に貢献する為に、関わるすべてに誠意と熱意を持って取り組むことを目指します。

自分らしく地域で安心して暮らしたい！

障がい者は社会に参加して貢献し、人並みに生きていきたいと願っています。日本国憲法第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」とあります。従って、障がい者は保護される対象ではなく権利として、地域社会の中で他の人々と平等に生きていくことが保障されています。しかし今の日本の社会保障制度は、障がい者の多様なニーズに応えきれていません。

また、障がい者の権利に関する条約では、障がい者に対して社会全体（家族を含む）の意識を向上させ、障がい者の権利や尊厳を尊重する心を育成すること、またあらゆる活動分野において障がい者への定型された観念、偏見及び有害な慣行と戦い、障がい者の能力及び貢献する力に関する意識を向上させること、とありますが、精神に障がいを持った方々には、特に厳しい現実です。

精神に障がいを持つ当事者や家族にとっては、日常生活が計り知れない試練の連続ですが、当面する課題に目を背けることなく向き合っていくことは、人として鍛えられ成長していくことでもあります。

しかしその学ぶ場、癒される場が少なく、家の中に閉じこもってあきらめてしまうケースも多くなっています。なぜ人は「こころ」を病んでしまうのかを正しく理解することは、大切なことと思います。 経済成長優先の功利主義社会は、人の「こころ」をいかに病んだものに追い込んでいくかということを、すでに多くの方々が沢山の事例で気がついているはずなのに、方向を転換できない難しさがあります。

精神に障がいを持つ当事者や家族が自己責任の名のもとに取り残されていく姿を見るにつけ、この法人の活動がその一助になればと思います。

カナンの想い

精神障がい者が病気の苦しみ、その苦しみを理解されない苦しみ、そして偏見や差別される苦しみと幾重にも重なる辛さに耐えかねて絶望している姿をたくさん見てきました。彼らに生きる喜びを伝えたい、希望を持って生きて欲しいと言う思いです。

障害者権利条約では、障害は本人に備わる機能面の障害と本人を取りまく環境との関係で生じるものとしています。機能面の障害とは精神障害、知的障害、発達障害、視覚障害、聴覚障害、運動機能障害、難病などによる本人が持っている障害です。一方取りまく環境で重要になるのが人の態度や物理面、法制面などの社会的障壁です。仮に機能障害が重くても、環境を整えれば障害の感じ方は軽減されます。条約17条には「全ての障害者は、他の者との平等を基礎として、その心身がそのままの状態で尊重される権利を有する。」とあります。

カナンはまず障がい者を取りまく環境を整えることによって、その方の人権を守り生きていくことに自信を持って頂くことを目指して支援を行っています。そして環境の中心は人材であると考え、理念を深く理解する人の集まりで運営しています。

また人材育成のためにも力を注ぎます。外部での研修の場に参加するだけでなく、内部でも学ぶ機会や場を設けたいと思っています。地域活動センターカナンはピアサポーターだけでなく精神障がい者を支援する職員が育つ場にもなっています。地域の多様な人々が集まって学びあう場として利用してきましたので、今後も企画していきたいと思っています。

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